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おまわりさんはノエルにとって救いの神である。この利用法を知ったのは九州放浪の旅のルート案内から始まり高山原付深夜旅行の休憩所となり色々と助けられたが、職務質問歴2回というなかなか屈辱というか嫌な思いもしている微妙な立場でもある。で、今回も市民保護の観点からこの時間に交番に入ることは何らおかしくない。朝まで休憩させてもらってそれから引き返そう。警察というとどうしても怖いイメージがあるが法学部であり昔同じ道を目指していたノエルにとっては親近感が沸くのじゃよ。ここでノエルは画期的な思いをすることになる!!(AM02:20) |
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誰もいないのか?しかし、鍵はしまってないようだ。やはり交番は狭い。休む場所どころか椅子一つなさそうだ。しかし、迷っている暇は無い足はもう限界師範なのだからね。ちょっと入ってみる。 |
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本来警察官が座るカウンターのような場所になんでお前が座ってるんだ。と思うかもしれないがそれだけ追い詰められていたということで、本来おまわりさんが座る椅子に座りこの机に伏せて休む。(深夜02:26)どうやらおまわりさんはパトロール中のようだ。疲れが溜まりウトウトとしてきたその時突然、ガラガラと一人の怪しい男が入ってきた!事件か?しかしここには俺しかいない。俺が警察の代わりにならなければ!と思い「どうしました!?」と聞こうとしたその瞬間怪しい男が「どうしました?」と。男にセリフを横 |
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取りされたノエルはその怪しい男がパトロールから帰ってきた警察官だということに気付くのに時間はかからなかった。事件じゃなくてよかった。「父さん、今日も瀬戸の夜は平和です」と思いつかの間の休息に付こうとしたノエル。が、この時間に変な格好をした茶髪の少年がカウンターに座っていたら怪しいと思わない警官はいない。すかさずお巡りさんの質問攻めが始まると予想されたので自分から全てを話す。そのお巡りさんはいい人だった、「おもしろいねぇ、少しここで休んで行くがいい」とカバンから缶のウーロン |
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茶を取り出して「これは警察からじゃなく、僕個人からのプレゼント♪」と言い瀕死状態のノエルに差し出した。こんなにいいお巡りさんは初めてで嬉しかった。お決まりの身分証明として免許証を見せろとも、住所を教えろとも言わなかった。彼は続けてこう言った「豊田まではあと少しだ、それに国道沿いには愛知環状鉄道が走っている。えらかったらそれでいつでも帰れる。だから諦めずに豊田まで行った方が周りは君を認めるはずだよ」と。ノエルは決心した。そして約1時間の休息を経てついでに自分を勇気付けたお巡りさんと記念撮影をしてAM3:20瀬戸警察署(写真の時刻はAM4:02) |
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記念橋交番を後にした。のちにこの警察官はこのホームページと、日頃の仕事の成果が評価され巡査長から巡査部長へと昇格したという噂が生まれたがそれは定かではない。一期一会とはこのようなものさと思いつつまた、瀬戸市街から豊田へ抜ける暗い道を歩き出す。もう走る筋力なんてない。いや、素で痛い。太もも・ふくらはぎはパンパンに腫れ問題児である股関節は再び歩かされ苦情を通り過ぎイカレポンチと化している。が、ここで足を休めるわけには行かない。(写真の時刻はAM4:39) |
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足を休めたところで、休憩する場所など無い。ここは国道155号。そしてついにAM4:43豊田市に突入。(゚Д゚)ハァ?
上の写真から4分ばかしか過ぎとらんがーと言うかもしれないが、豊田は県有数の広い面積を持っている。あくまで案内標識は豊田市街地までの距離が示されているだけなので分かっておくれ。 |
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歩くペースはどんどん落ちる。しかし、足を止めるわけには行かない。というか停める場所が無い、停めたところで寒いだけで筋肉がどんどん硬直していくだけで、それに足を止めたらもう次からは動かないのではないかという恐れもあった。一度動かしたエンジンはそうかんたんには停めたくない。オリオン座が気付くと西の空へと落ちかかっていた。風流だなぁと思ったのだがやはり、(AM5:23) |
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足だけでなく精神的に限界師範で写真右上に現れたオーブもノエルの朽ち果てた体から抜け出した魂なのか、応援をしてくれているどこかの霊なのかは定かではない。思ってみれば俺はまだ50kmも走ってないのだ、いやほどんど歩いていたといってもいい。杉田かおるはマラソンのために体力を付け練習をして挑んだのだろう。自分がどれだけ甘い考えをしていたか、ハンデを与えてやるなんて大口を叩いていた自分が恥ずかしくなって仕方が無い(AM5:48)
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気付くと周囲が明るくなってきて車の量も増えてきている。恐らくドライバーからは可児から歩いてきたとは思わず朝の歩け歩け野郎としか見ていないだろう。またもや写真に不思議な影が写る。俺のデジカメでこのような絵が撮れたのは初めてであり異常だ。この時何らかのパワーというか霊が俺をなんかしていたに違い。(AM5:57) |
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ついに日の出だ。天気が良いのがせめてもの救いだ。エネルギー供給源を失ったノエルは太陽から受け取った光エネルギーを熱エネルギーに変えてそれを次の一歩へと進む運動エネルギーにと変えてしまう画期的な方法を発見し、NASAのエネルギー開発研究所からは非公式ではあるが協力依頼がきて私も次世代を担う新エネルギー開発に貢献したいと思い忙しい日々を送っている。(AM6:38) |
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さて、時間は吹っ飛びAM7:35分だ。マラソン実証日が平日ということもあり国道155号は空前の大渋滞と化していた。その渋滞の中ではさすがに写真を撮ることもできず、その渋滞はノエルと歩くペースが同じで隣に走っていた通勤途中と思われるパジェロのオヤジと何度も目が合うが俺はそんなキモイ気はさらさらないので目線で丁重にお断りして歩き続けた。気付くと足は棒となっており、イカレポンチの股関節はもはや機能しておらず左足はやや引きずった状態である。写真は市街地に入ったところであと数キロで豊田駅。ここが最後の力を振り絞って到達できる限界の場所だと思い頑張った。 |
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向こうに松坂屋豊田店が見えるのだが豊田市市街は歩いてみるとかなり都会だ。写真では確認しずらいが歩くサラリーマンの姿も多い。当然全身白尽くめのデューク更家もビックリな歩き方をした怪しい若者を見る目は冷たい。俺だってこんなはずじゃなかったんだ。本来ならすでに折り返し余裕のよっちゃんで可児へと向かうはずだったのだ。そんな('A`)
な管理人ノエルをさらなる悲劇が襲う! |
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切符を買う。愛知環状鉄道で高蔵寺まで行きそこからJRに乗り換える。1020円なりで、豊田駅はなんと高架橋の上にある。「先生〜ノエル君が階段登れませーん。」仕方なく手すりを使い一歩一歩上がる訳だがその姿はミジメそのものだ。その服装と足を引き摺っているところからみて病院から抜け出した男としてでも見られていたかもしれない。明らかに電車に乗ることは想定していなく、なにか上着が欲しかった。切符購入時刻はAM7:47だったのだが、込み合う電車に乗るのが抵抗があり、結局電車に乗ったのは9:00をまわったところだった。それまでずっとベンチで冷たい視線を浴びながら寝ていた。9時になり少なからず人は減ったものの平日ということで学生が多い。同世代ばかりの電車中の中でファッションセンスの無いやつだとも思われていたかもしれない。帰りは足を引き摺りながらも電車と可児駅からはタクシーを使い心の中では「さらい」を歌いながら家に帰りましたとさ。めでたしめでたし |