飛騨方言名詞・しこ、ですが各種の意味に用いられますが、状態・様子・按配、などと訳せる言葉です。
どうも悪いしこや、といえば例えば、どうも気まずい様子だ、という意味になります。
同様の意味で各地の方言になっており、古語に由来する言葉のようです。
古語辞典に、しこ(醜)、があり、醜悪なものを憎みののしる語、またごつごつとして強いさまにも言う、
とあります。
あるいは自身を卑下することば、の意味にも用いられます。
契沖の代匠記には自分自身に対する罵詞であるとの記載があり、
今畜生と自分自身をののしるという意味あいがあるようです
(p140, 日本の古代語を探る・シコという語をめぐって、西郷信綱・集英社新書)。
万葉集に約十でてくる古語名詞・しこ、ですが(同著、西郷信綱)、
このようにもともとは、悪い状態・様子・按配を示す言葉のようです。
がしかしいつしか、よい状態・様子・按配、をも示すようになり、
飛騨方言では病気がいいしこや、天気がいいしこや、等々とも話されているようです。
全国の方言をネット検索しますと、さすがに悪い意味で用いられる文例が多かった事は
当然の結果でした。
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