舌のことを飛騨方言で、したべら、ですが、名古屋、佐渡、など全国各地の方言として紹介されています。
手元の古語辞典にはありませんが、古くは共通語だったのでしょう、
いつのまにか、した、が一般的となる中、一部の地域に方言として残ったと考えられます。
あるいは、こうも考えられるのです。べろ、という、舌の俗称があります。古語では、したべら、といっていたのを
いつのまにか、した、ないし、べら、というようになり、更に、べら、はいつのまにか、べろ、に変化したのでは、
という事です。
ところが厄介な事に、したべろ、という方言地域もあるのです。例えば遠州弁、川越ことば、などです。
また、手元の古語辞典には、したべら同様、したべろもありませんでした。
仮説としては、古語がしたべら、であった場合、
(1)飛騨初め一部地域では変化せず、古語が残ったが、
(2)共通語では、した、と、べら、にまず分解、二通りで話されるようになり、
さらには、べら、は、やがて、べろ、変化した。
(3)現在、したぺろ、が方言の地域は
古語・したべらか分解せず、したべろ、に語変化した、
という事になります。
また次の仮説としては、古語がしたべろ、であった場合、
(1)飛騨初め一部地域では古語・したべろか分解せず、したべら、に語変化した、
(2)共通語では、した、と、べろ、に分解、二通りで話されるようになったが、
飛騨方言のように、べろ から べら への語変化は生じなかった、
(3)現在、したぺろ、が方言の地域は変化せず、残った
という事になります。
第三の仮説としては、そもそも、古語にしたべら、したべろ、共に存在していたのか、
という事ですが、残念紙面切れ。
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