育てる(他動詞)。
広く中部地方で用いられる方言です。
古語のひとなる(人成る、自ラ四(自動詞ラ行四段))が語源でしょう。
飛騨方言では自動詞・しとなる・育つ、です。
生みの親よりしとね親(=他動詞・しとねる、の連用形+親)、の
諺もあり、しとね親が単独で用いられることもあるようです。
問題は、なる、と、ねる、ですが、飛騨方言に、
つくなる(=積み上がった状態になる)、と、つくねる(=積み上げる)の二つの自動詞・他動詞の対があり、
なるが自動詞、ねるが他動詞という飛騨方言文法が成立します。
他には、たばなる(=束の状態になる)、たばねる(=束の状態にする)、の対動詞があります。
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