オーディオにまつわる想い出（その5）
(2000.6.25ＵＰ)
スピーカー工作へのきっかけ？
実は、なぜスピーカーを自作しようと思ったのか、この理由が思い出せないのです。
念のため、妻(Kana)に尋ねてみましたが「そんなこと、私に聞かれたって･･･」と予想された回答がありました。
もともと、工作が好きだったわけでもありません。
強いて言えば、「何となく、何か作りたくなった。」という気持ちになったというこでしょうか。
ステレオ誌９７年７月号の購入
1997年6月運命の(大げさな･･･)stereo7月号を購入しました。
これも、どこの書店で購入したか記憶にありません。きっと『工作特集』という言葉に惹かれたのでしょう。
ただ、これも偶然のできごとであったはずです。
とにかく、まず作ってみたくなりました。
妻に相談すると、私が余程真剣？に話をしたためでしょうか、「好きにしたら･･･」との事だったと思います。
とうわけで、何か作ってみようと相成りました。
では、何を作ろうか･･･これには迷いました。ポイントは２つありました。
１つはコスト。そもそも、自作スピーカーなるものの音を聞いたことがありません。作ってはみたものの、
粗大ゴミが増えただけ、という可能性があるものに多くのお金はかけられません。
２つ目は、技術的な問題。私は、純文系人間です。ネットワークなるものの配線ができるとは思えません。
シンプルなものしかできないわけです。
友人に相談
いざ作ろうと思っても、材料の調達など、どこから手を付けたらいいのか、さっぱりわかりません。
そのときに、ふと友人のＮ君がスピーカー工作のことを話していたことを思い出しました。
幸いその当時、Ｎ君の職場が私の職場にも近かったため、空いた時間に相談に行きました。
そうしたら、Ｎ君も長岡先生設計のＢＨを作ったことがあるとのこで、ユニット、部品などを
名古屋の「カトー無線」という店で入手することができることを知りました。
板材については、東急ハンズで何とかなることは知っていました。
なお、このカトー無線は、現在は別の家電店になっており、スピーカー工作の資材を扱っていません。
非常に残念なことです。ここで、大抵のものなら揃っていたんですが･･･
板材の購入
何を作るのかについては、バッキーとドンキーを天秤にかけ、コストのかからないシンプルな作りの
バッキー（Ｄ−１０）に決定しました。
１９９７年７月２５日仕事を早々に切り上げて、まずは東急ハンズ・アネックス店（＠名古屋）へ。
ここでも、多いに迷いました。シナ合板、ＭＤＦ、パーティクルボード･･･どれがいいのか？
コストは、この順番で低くなります。しかし、安かろう、悪かろうでも困ります。
ハンズの店員さんに相談したところ、「値段が高くなるほど無垢材に近づくと言われている」ということと、
「ひとによって色んな素材で作りますよ」とのこと。
結局、選んだのはＭＤＦでした。その理由はと言いますと･･･
�｜傭�･･･何と言っても大切な要素。未知の世界に踏み込むのに、シナ合板はちと高い。
�∈犲舛龍儖貔�･･･材質の相違よりも、不均一であることの方が気になった。ＭＤＦなら均一のはず。
しかし、パーティクルボードは、見るからにスカスカだったのでいくら安価でも手を出せなかった。
�Ｉ縮�･･･�△砲盍慙△垢襪�、仕上げの必要がない。
特に、オモテに出るところは、ともかく音道部分の塗装等が必要ないと思われたこと。
長岡先生がホーンの動作上、鏡面仕上げがベストだが中高音の漏れがあると書かれていることを
考慮すると結構いい線いっていると思う。
�た�･･･そのままでも、邪魔にならない色。
塗装をしている時間だけ音を出すのが遅くなることの我慢ができない。
ってな感じでした。
もちろん加工と配送も頼みました。
そして、次はユニットをゲットすべく、カトー無線へ向かったのでした。
ユニットの購入
使用ユニットについては、迷っていました。
当時、長岡先生の「こんなスピーカー見たことない」は入手しており、ユニットの測定データを読んではいました。
ＦＥ１０３、ＦＥ１０８Σ、ＦＥ１０８Ｓが候補のようでしたが、限定ユニットはコスト高ですし、入手困難である
ため、除外。あとは、財布との相談でした。今思えば、そんなに迷うこともなかったと思います。
当時、カトー無線には、フォステクスのユニットの主だったものが揃っていたように思います。
そして、エンクロージャー・キット、吸音材、アクセサリーパーツなどがありましたし、
フォステクスのキットだったと思いますが、ＢＨの完成品が真空管アンプで鳴っていました。
ＦＥ１０３、ＦＥ１０８Σのどちらにするべきか。
価格は、倍近い開きがあります。１０８Σ１つで、１０３は２つ揃ってしまいます。
ただ、「こんなスピーカー見たことない」の解説を読むと、１０３は、｢１０８Σ、１０８Ｓに比べると音は引っ込む」
とあります。こういう書き方がされていますと、仮に１０３を買っても、後で１０８Σが欲しくなる筈です。
結論は出ました。少々高くても、１０８Σをゲット。この選択は今でも正しかったと思っています。
そして、スピーカーターミナルはフォステクスのＰ２４Ａをゲット。
Ｔ１００もありましたが、私には高価。Ｔ１５０は在庫切れ。財布と相談した上での決定でした。
こちら２点はもちろんお持ち帰りでした。板材が届くのが楽しみです。
板材のご到着！
１週間程度してからでしょうか、板材が我が家に届きました。
仕事から帰ると、玄関にドーンと置いてありました。
思ったよりもコンパクトだったため、こみ上げる笑いを押さえつつ、持ち上げようとすると重いっ！
よく考えてみれば、サブロク板２枚分が入っているのですから、そんなに軽い筈はない。
作業はできないものの、とりあえず開梱。これが非常にしっかりと包装されていました。
ここまでしてあれば、余程のことがない限り、配送途中で問題が起こることはないでしょう。
加工の済んだ板が出てきました。上手に収められています。
試しにカットされたサイズを測ってみますと、ミリと狂っていない。
素晴らしい工作精度です。驚いたのは、ユニット取り付け部の円形カットです。
カットした板材を、カットされた円のところで回転させることができます。すごい！
後で知ったことですが、この円形カットは特殊な機械を使うのではなく、糸鋸で手作業でやるのだそうです。
そのための、職人さんが３名おられるとのことでした。
さて休日になったらいよいよ工作のスタートです！
TO BE CONTINUED!
