デカプリン記〜その2〜




プリン作戦決行当日になり、友人Kの車で近所のスーパーまで行くことになった。買うべきものは

牛乳、ただ一つ。しかし当日になってプリンをもう一箱買い足すことにして、これで6箱。来るところまで

来てしまったんだなぁ、と実感する。もう後には引けない、前進あるのみ。敗戦が確定した状態での

旧日本軍の如く、見事に散って見せるといわんばかりの勢いでレジへ行き、支払いを終える。

ここでついでにタバコも買い足して準備万端。



寝殿造りへ着くと、彼は相変わらずのローテンションでお出迎え。彼の人生の辞書には

『活力』 とか 『気合』 の類の言葉は一切入っていないのは疑う余地がない。まさしく惰性でのみ動く人生。

慣性の法則、ニュートンの申し子、それが平安美人。そんな彼だが住んでる家は大きい。しかも新しい。

これはもうどら息子の烙印を押さねばなるまい。そんな思いを胸に秘めつつ3人でマリオカートでもやりつつ

時間を潰して友人Wの到着を待ちわびる。彼が来なければこの計画は実行できない。

いや、彼自身の存在よりも彼の胃袋の存在が重要なのだ。膨大な量のプリンは3人で食べるには無理がある。

4人でも到底無理であるのに3人では匂いだけで失神昏倒するのは目に見えていた。

彼の到着に備えてピザを頼んでおき万全の準備を備えて彼を迎えることにした。



ピザを頼んで1時間もすると彼は到着、そしてピザ屋も時を同じくして到着。計画は着々と進行している

これから膨大な量のプリンを食べるとはつゆ知らず、4人はLサイズのピザをしこたま腹に詰め込んで

ゲームに興じた。



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