デカプリン記〜その3〜
飯を食い、ゲームも一段落ついた頃になって計画の全貌を友人KとWに話した。彼らの顔には
うっすらと笑みこそ浮かんでいるが内心は気が気ではないはずだ。なぜなら友人Kは甘いものが
苦手であり、友人Wは普段からプリンを作っていて見飽きているとのこと。だがもう引き返せないので
行くしかない。死地に赴く旧日本軍の気分を存分に噛みしめつつ材料を見渡す4人。
言うまでもなく多い。多すぎる。それ以外に言葉がない。多すぎる材料と少なすぎるやる気、
そして小さすぎる胃袋で立ち向かうは 『4人前×6パック=24人前』 のプリン。
もう目の前はバラはバラでも枯れたバラ色だ。
絶望感に浸りながらもプリンの注意書きを読むと、このプリンは若干やわらかく仕上がるらしい。
ということは牛乳を少なめにしなくてはならず、余る。どこまでも手間をかけさせるプリンである。
ちょっとは自分でどうにかするとかいう根性を身につけて欲しい。おい、おめーだよ、ハ○ス食品!
怒りに身を任せても何一つ解決しないというのは自明な理、そこは二十歳の大人4人が揃っているのだから
行動あるのみ。まずは鍋を用意し、牛乳を適量入れてプリンの素(粉末)を叩き込む。しかしこの時点では
牛乳は半分しか入れないらしい。煮上がる前にもう半分を入れるらしく、つくづく手間がかかる。
ハ○ス食品は内部告発でも喰らってください。ちなみに半分入れるとこうなる。
悪夢の幕開けであった。ちなみにプリンの箱の横に見えるのは灰皿。一人しかいない喫煙者のため
だけに平安美人の母上様が用意してくださった貴重な灰皿。キッチンスモーカー万歳。
灰が入りそうだけど気にしない気にしない。
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