デカプリン記〜その6〜
食べ物を皿に移す瞬間というのは緊張するものだが、今回もご多分に漏れず
そうであった。5時間近い労働の果てに待っている結果が今、この瞬間分かる。
この瞬間こそが本日の集大成であり悪夢の結果なのだ。
どすこいどすこい!っと洗面器を皿の上で揺らす。
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・・・・・・・・・・・・・・
ぬ、抜けねー!っと叫んだ。
・・・・・ずぷぷぷ
ずぶぶぶぶ!!!!
ぬ、抜け・・・・
たぁーーーーーーーーーーーーーーーーー!
隣にあるのはプッチンプリンである。つまり1人前。1人で食べる量だから1人前。4人で食べる量だけど
24人前。バカだ。
でもやけに色がいい。つややかな肌をしており、しかも味見してみるとかなりいける。24人前でなければ
皆大喜びなのだが悲しいことに今回は24人前だ。24倍でかいプリンは、我々を24倍打ち負かし、
24倍胃に詰まることになり、24倍の悲しさを生んだのだが24倍美味しいということはなく、24倍好かれる
という事もなかった。
しかし現場の雰囲気はといえば笑いが渦巻いていた。これほどでかいプリンは見たことがなかった上に
なによりこぼれている。
皿に収まりきらないプリンの場違いな印象にはただただ笑うだけであったが、それはいい笑いだった。
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