大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

孤例(これい)

戻る

僕:昨晩は久しぶり、僕にとっては新しい学術語・孤例についてお話をした。
君:今夜はどうしてアクセントのお話なの?
僕:当サイトは僕にとっての備忘録みたいなもの。ちょっとでも気づいた事を書き留めて、二十年後、九十歳辺りで読み返してみたいんだ。生きていればの話だが。
君:いいから結論を簡単に。
僕:うん、この言葉は僕が生まれて初めて昨晩に知った言葉。聞いた事は無い。アクセント辞典その他に記載は無い。きわめて特殊な言葉。でも逆に質問、目から入った言葉というものはどうなるかな?
君:脳の言語野で書き言葉から話し言葉への変換。あなたは思わず頭高アクセントで内省したのよね。
僕:その通り。
君:三拍の複合名詞で「例」で終わる言葉は平板だわよ。異例、違例、古例、語例、事例、比例。
僕:まさにその通り。例外などない。栄子、美奈子、光子、淳子、真知子、恵子は皆、頭高。「タイコ」の場合は、頭高なら泰子だが平板なら太鼓。これが日本語のアクセント則。
君:ほほほ、孤例をよりによって頭高と勘違いしちゃうなんて、どうかしてるわよ。
僕:僕自身の脳について考えてみたい。飛騨方言のアクセント体系が詰まっている。
君:飛騨ではおかしなアクセント体系があります、とでもおっしゃりたいのね。
僕:違う。僕のモダリティは飛騨出身だけではない。職業は医師、性別は男、その他趣味など。これらの複合要素で自分自身のアクセント体系を作っている。
君:結論になっていないわね。結論を一言で書いてちょうだい。
僕:医師にとって必須の仕事が学会参加。症例報告の発表も多い。数詞+「例」の単独の複合名詞は頭高になるんだよ。これは医師の世界の特殊なアクセント体系なのかな。業界には実はアクセント体系がある。これが今夜の結論。
君:つまりは三拍語ならば「二例、五例」、これが頭高になるし、一例も三例も皆、頭高なのね。
僕:そう。「では、五例を報告します。」では頭高、これに釣られて「孤例」を頭高アクセントで内省してしまったのだと思う。但し「五例目の患者様は・・」の場合の「五例目」は平板になる。蛇足ながら二例目のアクセントも平板。
君:ほほほ、英語での発表だったらよかったのに。
僕:そう。 a solitary case of something で決まりだ。但し、これが日本語の医学用語となると「孤発例」だな。孤独に発症した症例という意味。「孤例」とは言わないよ。
君:どうでも良い事を。左七君も孤独な人ね。Thank you for presenting a new finding of the accent system of the world of medicine. ほほほ

ページ先頭に戻る