方言区画論 |
孤例 |
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私:今夜は、つい先ほど発見した学術語について。危機的な状況にある言語・方言の実態に関する調査研究事業報告書 4 我が国における言語・方言の現状25頁 君:意味は? 私:国立国語研究所編『日本言語地図』第3集の 45 項目の地図について,全国 2400の調査地点のうちたった1地点でしか使われていない語形(孤例)、と定義される。僕は今までこの概念を「俚言」で表記していた。方言学には学術用語集なるものが無い。残念な事だ。 君:はじめに言葉ありき。新約聖書「ヨハネによる福音書」第1章。 私:おっ、聖書をやってるのか。意外だった。それはともかく図 4.2 『日本言語地図』で孤例の多い地点、これも大変に興味を引くね。 君:全国一と言えば? 私:八重山方言で決まり。2022の正月に行ってきた。小牧から石垣に直行便がある。便利だ。那覇は経由しないんだ。 君:方言を探して全国を飛び回る、ってとんでもない道楽ね。収穫は? 私:ゼロだったよ。どこにもない。八重山(石垣) アンパルヌミダガーマユンタだけだ。 君:飛騨方言は? 私:今夜の記事の核心といってもいいね。地図を見ると河合村に集中している。旧高山市街は言うに及ばず、僕の出身の久々野町をはじめ、JR高山線沿いには孤例がない事がわかる。それにしても4個のプロットだが、何と言う語彙なのだろうね。荒垣秀雄著「北飛騨の方言」を読んでも答えは得られないが、氏についてはひと言、語っておく必要がある。 君:では一言でどうぞ。 私:彼は斐太中33回生。戦前の人。我々、斐太高卒業生の大先輩。早稲田卒後は朝日新聞社の従軍記者におなりだ。同書は満州に出発する前夜、昭和6年9月に校了したそうだ。 君:死ぬ覚悟という事ね。泣けてしまうわ。 私:そういう事。切ないね。氏は何か自分の生きた証を残したかったんだよ。 君:そこで咄嗟に思いついたのが故郷の言葉ね。 私:咄嗟ではない。ちゃっかりと蜩c國男先生に序文を書いてもらっているから。 君:どこに接点があったのかしら。 私:それは簡単な謎解きだ。柳田先生は荒垣が記者を務めた東京朝日新聞社客員となり、論説を執筆。 君:なるほどね。新聞社の上下関係だったという事なのね。新米記者にとっては蜩c先生は憧れのお方よね。ほほほ |
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