大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

東京式アクセント内輪系

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一般的に、アクセントがある、という言葉の意味する事は、関西方言に代表される 共通語とは異なったアクセント体系、という事ではないでしょうか。 米国人はよく、英国人にはアクセントがある、と言うのです。 東京人は自分のアクセントを意識せず、関西人にはアクセントがある、と言う。 さて共通語のアクセントをなんと東京式と言うようになった時代は何時でしょう。

ここからは、それなりに根拠を踏まえていますが、あくまでも推論です。 さて私の手元に昭和の古ぼけた書、角川書店の久松潜一編集国語辞典、がありますが、 裏表紙裏に全国のアクセント地図があり、飛騨地方が東京式で朱記されているのを 子供心に嬉しかった思い出があります。氏は名古屋のご出身、八高・東大、そして 同校教授、東京式という名前もさもありなん。

もうひとつ、手元にあるのか金田一春彦監修・三省堂新明解日本語アクセント辞典です。 こちらはついこの間、買いました。何故買ったか、ヒントは将棋。 また、この辞典の裏表紙裏に全国のアクセント地図。より詳細で、私は時代の推移を感じます。 編者金田一春彦氏も東大卒、ただし彼は東京の下町のご出身、お師匠様久松先生が関西方言アクセントではない アクセント、つまりは共通語アクセント・標準語アクセント・国語アクセント、である所の、 所謂、日本語アクセント、を別名・東京式アクセントと定義する、との 考えを継承し、これを細分類し、内輪系、中輪系、外輪系と定義されたようですね。

どうも沖縄、北海道も含めて日本全土が東京式なのであるが、 そこへどっかりと関西圏のみが京阪式アクセント圏として侵食している、 という事のようです。 内輪系地域は飛騨・美濃・尾張・大和南端・丹後・但馬・ 美作・備前・備中南端・伊予西端・土佐西端、以上の十一地域です。 中輪系地域とは、三河から関東までの地域と中国地方の西半分です。 外輪系地域とは新潟地方、東北の一部、九州の一部等です。 沖縄の友人がいますが、私の耳にはやはりアクセントは異なっています。 がしかし沖縄は外輪系です。東京式の流れを汲むのです。

つまりは、岐阜県あたりが日本語アクセントの中心なのです。 ここから遠ざかった所二箇所、つまり磐城界隈と日向界隈、に 一型アクセント地域、別称無アクセント地域があるのです。

ところが、同じ地図を見てもあるいは私が関西人ならば、京阪式アクセント圏 が日本の中心で、それを東京式内輪系が取り囲み、その外に中輪系地域があり、 更にその外に外輪系地域があるように見えてしまうのでしょうね。

それにしても、久松先生、金田一先生、見事に言い当ててくださいまして有難うございます。 飛騨は若しかしたら日本のアクセントの中心であり、東京式アクセント地域の中でも中心 なのでした。
おまけ
東京式アクセント内輪系、って言葉にゃあ、しびれてまうながよ! ところで、内輪系を何と呼ぶかが問題です。 私は、うちわ系と呼びたい。 私は飛騨方言を内輪話にしか使っていませんもの。 そしてもしも飛騨方言が尾張・美濃を席巻するようになると、それこそ 更に飛騨方言は内輪系の中心になりましょう。 だから絶対に名古屋方言・美濃方言に染まらず、 むしろ飛騨方言をその人達にうついでやらんにゃだしかんさ。 内輪話ばかりせすとなあ。 しゃみしゃっきり。

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