高山市久々野町に無数河(むすご)という地域があります。
発音はアクセントは一拍目です。続く二拍は低アクセントです。
一風変わった名前には違いありません。
ただ今グーグルで検索しましたが、全国広しといえども
むすごといえば久々野町無数河以外には存在しないようです。
さてこの変わった地名の由来は何でしょう。
久々野町の古老にお聞きすれば答えてくださるでしょうか。
インターネットに実は、飛騨川の支流・無数河川の情報があり、
古くは沢山の川が集まった場所である事によるらしいとの記載がありました。
が果たしてそうでしょうか。
地元を訪れた方はすぐにお気づきになる事ですが、実は川は一本しかありません。
ちいさな沢に流れる一本の川、無数河川です。
沢山の川が集まった場所というのは後世に当てはめられた漢字から類推した
どうも間違い情報のようです。読書の秋、青春出版社の本・"不思議な地名の日本地図"
によりますと、古語動詞むす・自サ四、に由来する地名のようです。
古語動詞むすとは、こけむす、という意味です。
清流に苔が沢山はえていた川の地域という古事にちなんだ名前なのでしょう。
ところで無数河から飛騨川を十数キロ下った所に下呂市小坂町無数原があります。
飛騨川沿岸の狭い地域です。地元を訪れますと、
どなたもすぐに気がつかれますでしょう、無数の原っぱは見当たりません。
やはり無数原もこけむす原っぱと考えたい所です。
また無数河からはるか離れて北に数河(すごう)高原がありますが、
無数河(むすご)と数河(すごう)には何ら意味のつながりがないであろう事も
この際は記載しておいたほうがいいでしょう。
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