JR高山線に無人駅があります。ほずえ・上枝。
高山駅のひとつ下りのこの駅ですが、地名について、
ふーむ佐七は実は一年以上、考えていたのです。
最近、江戸時代の書物・飛州志を知り、少し謎が解けてきました。
ほぜ、とは木の小枝の事であり、ほずえの転、との記載があるのです。
また、ほずえ、とは、穂の末、の言いでしょう。
この言葉は実は古語辞典に記載があります。
稲葉おしなみ吹く風にほずゑを伝ふ秋の白露・玉葉ぎょくよう和歌集・秋上。
なんの事はない、上枝、とは後世の宛て字だったのですね。
ところが、少しおかしいと思いませんか。地名ほずえ・名詞ほぜ、が
飛州志が記載された江戸時代には共に話されていたという事ですものね。
謎は更に深まります。
地名ほずえ、これは現代に生きています。
一方、名詞ほぜ、は死語とも言えましょう。
でも佐七には答えが直感できます。つまりは、
ほずえ、に住む方々が土地の名前に誇りをもって、
頑としてなまらずに代々語り継がれてきたという事ですね。
さて汲み取り便所しかない無人駅、とのネット情報ですが、じつは
地名ほずえ、は玉葉の時代、つまり鎌倉時代からの由緒ある
地名という訳なのですよねえ。高山市がいつのころから高山と
呼ばれていたのか、誰も知らない。
けれど、汲み取り便所しかない無人駅の名前のほうが
実は高山市に比べてもっと由緒ある地名なのでした。
しゃみしゃっきり。
おまけ
東京なんて地名はついこの間できた言葉ですよ。
それまでは江戸だったんだから。
最初に漢字が決定されたのはいいものの、とうきょう、と
呼ぶか、とうけい、と呼ぶか、あれこれ議論されたのですが、
京都・きょうと、との対比という事で、とうきょう、に決定したのでした。
歴史なんかクソ食らえと思う人とぁ佐七ぁお話しとうねえ。
飛騨にあるこの汲み取り便所しかねえ無人駅の名ぁ東京駅に比してなあ、
明らかに歴史ゃああって由緒正しい名前やぞ。
本当のしゃみしゃっきり。
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