大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

地名用語

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地名考と方言考はジャンルが違うとも考えられますが、差は微妙ですから、当サイトでは積極的に飛騨の地名についても考察いたします。
県・あがた:国造・くにのみやつこ、の支配する地。国司の任国。いなか。
字・あざ:明治二十二年の市町村制の実施に伴い、原則として江戸時代の村名を大字・おおあざとした。また江戸期の検地帳などに小名・下げ名・一筆書きなどと言われた耕地名は大字に対して、小字・こあざと言われるようになった。
預け地・あずけち:江戸期に、官有地で借主のない土地のうち、その付近の者があずかっている土地の事。
市・いち:物資の交換取引の行われる場所とその集落
浦・うら:湖沼・海の湾曲して陸地に入り込んだ地域
上・うれ:山、坂等の頂上
駅・えき:古代の陸上交通の駅制。大化の改新で駅馬・伝馬を置いた地。
抱地・かかえち:江戸時代に武士・町人・寺社が百姓地を買って所有地としたもの。
川・河・かは:水の流れる所。語源は諸説、ガハガハの擬音の転、水が日夜かわる、川水と海水で味がかわる、等。
郡家・ぐうけ:古代律令制下における地方行政官である郡司の官舎と正倉
国・くに:大化の改新前は国造・くにのみやつこ、の支配領域のこと。大化の改新で国郡制が敷かれ、国造の国の数国を一国として行政の最大単位とした。発足の奈良時代は日本は六十一国。
郡・ぐん:大化の改新後の国に次ぐ行政単位。改新後半世紀は評・こおり、と言われたが、大宝令後は郡と呼ぶ。
県・けん:明治元年、廃藩置県で設置した行政単位。
郷・ごう:霊亀元年に令制で五十戸一里の里を改称したもの。国郡制の最末端行政区画。
広域地名・こういきちめい:実際の区域より広い領域を示す地名を市町村名に使用する事
合成地名・ごうせいちめい:複数地域が合併する際に名前の一部をつぎ足して新たな市町村名を創作する事。
国衙領・こくがりょう:古代末期から中世にかけて国家が直接に支配した地域。
沽券地・こけんち:江戸時代、永代売買を公許された土地の総称。
在家・ざいけ:中世に国衙領、荘園などで賦課の対象となった収取単位。
坂・さか:記歌謡43、和邇佐(わにさ)+場所の意味の「か」の複合語。うみさか海界、いわさか磐境。古くは国と国の境界の意味。
崎・さき:先端。尾の先が尾崎。海の先がミサキ岬(うみさき)。
迫・さこ:山肌でくぼんだ線状の部分。通常は枯れた谷の状態。
里・さと:古代・中世において人の密集する集落をさし、村の概念より広い地域を示す
沢・さわ:浅く水がたまり草のはえる湿地。語源は諸説、多・さは、小川・さかは、裂離・さけはなる、騒がし、等々。
市・し:明治二十一年に公布された市町村制の一単位
宿・しゅく:旅宿を主な機能として成立した交通上の集落
荘・しょう:律令制が崩壊し始めて後の、中央の貴族・寺社の私的所有地。
条・里・じょう・り:律令制下の土地区画単位。一辺が六町・約七百メートル四方の一区画を里という。これを基礎として南北方向を一条、二条、と数え、東西方向を一里、二里、と数えた。
瑞祥地名・ずいしょうちめい:めでたい意味、良い意味の言葉を市町村名に用いる事
関・せき:交通の要地に設けた役所、要塞。
園・その:蔬菜の栽培地
杣・そま:木材を得る事の出来る山
谷・たに:地表の細長いくぼ地。語源は諸説、水が垂る、下見・したみ、等。
地区・ちく:ある法令の施行地域を限定したり、特定の行政目的のために指定された区域。
地方・ちほう:都道府県を包括する、より広域の呼称
町・ちょう:明治二十二年の市制町村制施行に先立ちなされた大合併単位。
津・つ:湖沼・海岸などで船が停泊できる場所
佃・つくだ:平安末から中世の領主の直営地
辻・つじ:十字路。四辻。道の交差点。
道・どう:律令制下に定められた五畿七道の単位
峠・とうげ:たうげ。手向け・たむけ、の転。道祖神にたむけをする場所。さらに転じて、山道を登りつめた場所。
林・はやし:人の手がかかっていて木の群生している所。生やす、の名詞。
野原・のはら:古語の音韻はノバラ。人家の無い広い土地。
藩・はん:江戸時代の大名の封土
保・ほ:律令制の都の条坊の末端単位
方角地名:東西南北中、の何れかの文字が含まれる地名
洞・ほら:さこ迫に対し水の流れない最大の谷。
牧・まき:牛馬を飼育する土地
町・まち:人家が密集し、街路で区画された地域
名・みょう:口分田の受給者の名
村・むら:古代で集落を示す。平安期以降は支配対象地域を示し法人格を示した。
森・杜・もり:木の生い茂る所。語源は諸説あり、木叢こむら、獣が籠もる、守り、盛り、群れ、諸、など。
門前・もんぜん:寺社の門前に形成された町
山・やま:隆起した土地。海・川・野・谷の対。神の住む場所。
連称地名・れんしょうちめい:二つ以上の地名をそのまま連ねる合成地名のひとつ。駅名、同規模の自治体の合併名、通称に多い。
輪中・わじゅう:集落耕地を洪水から防ぐ為に周囲に堤防を巡らせた地域単位。

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