飛騨方言に、どさない、という言葉があります。
佐七辞書の説明の通りですが、ぞうさない、が訛ったことばです。
広辞苑によりますと、造作無い、は形容詞となっています。
従って、どさない、は飛騨方言形容詞です。
さてその表記ですが、以下のような長所、短所があろうかと考えます。また丸印でお勧め度を示しました。
どぅさない ○○○○○
この表記は、実際の発音に極めて近い表記です。
またこの表記は、語源が、ぞうさない、である事も何となくわかります。
また更には、どぅ、と表記する事により、第一音にアクセントがあるであろうことも何となくわかりましょう。
ただ、大変な欠点があります。つまりは、ただいま、"どぅさない"でネット検索してもヒットゼロなのです。
飛騨方言、というキーワードで一万七千件ほどヒットしますので、飛騨方言というものがネット情報としては
決して孤児ではない事をご理解ください。がしかし、どぅさない、は、私の今の記事が日本発の発信では
ないでしょうか。つまりは、どぅさない、は社会的認知度ゼロ、私の単なる自己満足です。悲しい。
どうさない ○○○○
飛騨方言でもゆっくりと落ち着いて話す時は、発音は、どーさない、になります。
そして、ど、に弱アクセントがあります。
従って、どうさない、と表記することは十分に許されるでしょう。
あるいは、唯一、正しい表記と考える事もできましょう。このように表記する事によって、
ぞうさない、が訛った言葉である事が飛騨以外の方にも容易に理解していただけるという
大変にプラスの面も決して無視はできません。
またこのような表記によって、ぞ、と、ど、は濁音で破裂音で極めて似通った音であるが故に、飛騨地方では
ぞうさ、が、どうさ、になってしまった事は国民の皆様、どなたも容易に理解できましょう。
どさない ○○○
無難な飛騨方言表記といえましょう。実際の発音に近い表記です。
またひとつ長所があります。ただいま"どさない+方言"でネット検索したら41件ヒットしました。
複数名の方がネット発信しておられます。つまりは、どさない、という表記は既に社会的に認知されているのです。
ただし、ど、に弱アクセントがある点は、飛騨方言アクセント辞典でも作成しない限りは
どなたにも理解は無理という事になります。
もうひとつ欠点が考えられますが、どさない、とは、どうもないという意味なのですがしかし、どうもない、が、
どうさない、に変化する事などあろうはずも有りません。
語源をも勘案し、また、ど、にアクセントがある点も勘案している"どぅさない"の表記に劣ります。
どぉさない ×××××
この表記は、実際の発音に極めて近い表記である点が唯一の長所です。
しかしこの表記は、語源が、ぞうさない、である事がわかりません。
しかも大変な欠点があります。つまりは、ただいま、"どぉさない"でネット検索してもヒットゼロなのです。
つまりは、どぉさない、は社会的認知度ゼロです。やはり、書くのなら、どぉさない、よりも、どぅさない、が良いでしょう。
ところで、ここにひとつ大問題が発生します。私がこの記事をアップロードして数日、あるいは数週間すると、
インターネットの検索ロボットが、当記事をチェックし、どぉさない、というキーワードでネット検索可能になるのです。
勿論、このどぉさない、というヘンテコリンな言葉をわざわざアップロードする酔狂など、私以外にあろうはずもありません。
ヒットするのは当記事のみです。
がしかし、私はこのように、あえて"どぉさない"も含めて、アップロードしました。
そして私は国民の皆様に問いたい、どぅさない、という表記はいけませんか? えっ勝手にしろですって?
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