てむずり・てむづり、と言えば飛騨の代表俚言でしょうが、
手でもてあそぶ事、という意味です。
差し詰め、暇さえあれば携帯をポチポチとやってお見えの方々、
親指姫等と親指トム君等ですね。
語源として最有力情報は江戸時代末期の吉城在郷の知識人・大坪二市の著書・農具揃、
でしょう。あれこれもてあそぶ事を、手もつれ、と記載しているのです。
筆者は従って、てむづり、
が唯一の正しい表記ではないかと考えます。
語源の考察ですが、
てもつれ、に関する言葉は古語辞典に記載が無く、
また飛騨以外からの情報発信が無く、
筆者が俚言と考える根拠です。
蛇足ながら語源辞典に、もつれる、について
各種の説がありますが、
佐七が思わずうなってしまう説はありません。
結局は、もつれる、の語源は不明です。
さて、手+縺れ、という複合語で、てもづれ、となる事は
ライマンの連濁の法則によるのでしょう。
つまりは江戸末期から明治あたりにかけて、
てもつれ>てもづれ>てもづり>てむづり
>てむづれ>てむづり
と変化したのであろう、というのが筆者の主張です。
がしかし、語源は結局の所は確証はありません。
てむずり、の表記でもいけなくはないでしょう。