飛騨方言四段動詞・おはる、ですが共通語では、ねだる、に相当します。
ネット情報は皆無に近いのですが、恵那弁、岩村弁がわずかにヒットします。
ともに岐阜県東濃地域であり、飛騨に隣接する地方です。
従って方言動詞・おはる、は飛騨・東濃地域の俚言、
まさに岐阜県を代表する方言動詞なのではないかと筆者なりに推察します。
広辞苑で、ねだる、を引きますと、当て字として、強張るが記載されていました。
動詞・おはる、のルーツを考えますと、強張る・これがいきなりの答えのようです。
つまり、おそらくは上代に、ごうはる、と言っていた動詞が飛騨方言では、
おはる、になったという事でしょう。
ごうはる>ごはる>おはる、と変遷したのだろうと考えられます。
それにしても共通語への変化の過程( ごうはる−>ねだる)といっても
唐突の感が拭いきれません。
しかしながら、人の迷惑も顧みず、くださいな、くださいな、と
強引に言い張る事はまさに、ねだる、という意味であり、飛騨方言の
おはる、とて同じ事です。例えばもっと沢山の小遣い事をくれ、
と子供におはられても親も困ってしまいます。
個人間とて、また国家間とて同じですね。
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