共通語におき、の説明があり、同意ですので、厳密には方言ではないでしょう。
おき(燠)とは、赤く起こった炭火、まきなどが燃えつきて炭火のようになったもの、と言う意味で、
燠の部首を見ますと、へんに意味があり火を表わし、つくりが音を表わしています。
飛騨方言の発音は、お、は弱く、き、に弱アクセントがあります。
炭火(生活)はすでに飛騨においてすら現代生活では存在せず、いわば死語ともいえます。
私が生まれ育った昭和三十年代には、おき、は生活語そのもので、
冬にこたつ用の炭火を作るには、囲炉裏に炭をやり、おきを作成、センバという小スコップでおきをすくい、
火鉢に移動させる、あるいは、やぐらこたつに入れる、燃え尽きたまきがおきになったものは、灰に埋没させ、
翌朝の火種とする、など母親の仕事を見守ったものでした。
今、帰省しても私を迎えてくれるものは、電気ごたつに電気毛布、石油ストーブ、おきとセンバよ、今いずこ。
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