大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
べんこうな話 |
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あれ、ようきてくださったナ。あんきにしていってくりょ。
今、"べんこくさい"をネットで検索するとえな、十数件ヒットしますんやけどえな。
驚いたことになあ、加賀、能登地方、特に輪島、でも使われているみたいですわなあ。
ぎょうさんの方が、とくになあ飛騨の人だちゃこの言葉は飛騨方言を代表する言葉やって思ってごさるやろけど
この言葉は飛騨から北陸に至る広い地域で使われているようやな。
べんこな(=言い方が大人びた、生意気な喋りかたの)という
形容詞句も恐らくはよ、飛騨のみならず北陸でも使われてとるんでないかって直感できるさなあ。
この言葉はどうも響きがいかんのやけどな。今は中学生のおりぃの娘が、幼稚園の時やったなあ、 春休みの東映漫画祭りでな、ドラえもんとクレヨンしんちゃんやったけど、しんちゃん家族が 協力してやっつけるワルどもの大将が雲国斎(うんこくさい)というやっちゃったな。どうも あれがすぐ思い出されて、ましてやベンというと大@小@も連想されるでなあ。やっぱ 思わぬ誤解を受けない為には、都会の人に向かってべんこくさいなんて、絶対言わんほうが、 えんでないかいな。相手が若い女性やと、はったおされてまうさ。 そやけど意外な事に弁口、べんこうは現代語の国語辞典にも掲載されておる、なかなか意味のええ言葉なんやさなあ。 そやけど、実際はえな、ほとんど日常で耳にする事はないさなあ。 立派な現代語やけど、実際は共通語としては死語の弁口を、飛騨の人だちゃちゃあんと使ってござる、 弁口をつかうまさにべんこうな飛騨の人たち、この洒落はなあ、東京語みたいなやくたいもない言葉しか知らん人にはわからんってわけやさ。 ところがどっこいやけどえな、ここに驚くべき事実があるんやさ。 実はなあ、全国の心臓専門医とか心臓外科医の先生はなあ、日赤やら久美愛病院なんかの飛騨地域の病院の先生でなくてもえな、 この言葉をよく使いなさるんやさ。 別に全国の先生が飛騨方言を研究しとるなんてげばいた話ではないんやけど。 実はなあ、弁口ってなあ、僧帽弁の入り口の事をいうんやさ。 心臓の先生はこの部位がどれ位開くかを計算してござるんやさ。弁口面積っていうんやさ。 国語辞典の語義の言葉巧みという意味では有りませんわなあ。 そやけど医学用語の弁口は、残念ながら出版されている日本中の国語辞典には決して掲載されとらんさなあ。 医師しか知らん専門用語やさ。 弁口面積を測定するにはお医者さんは弁口でないとだしかん、ってのも東京語の人にはわからんってわけやさ。 それにまんだ、うたていおまけがあるんやさ。この医学用語の弁口のおかげ様で、 こいつが ところで http://www6.plala.or.jp/ebisunosato/ がヒットしたんやけどえな。方言教室の第11回編 越前大野(福井県大野市)と飛騨の共通方言 ってところやさ。 うーん、不思議すぎてようわからんのやけどえな。この表にべんこくさいが無いんやさ。 つまり、北陸といっても北部の加賀・能登地方(べんこくさい地方)と南部・越前のべんこくさくない地方 があったと言うわけでないのかいな。 両地方と飛騨との交流は白山で分断されておるんやけど、 元々両地方は地続きやもんで地理的に隔てるものはないんやけど。なんでやろかな。 長野の人なんかは勿論、乗鞍で隔てられとるで、べんこくさくない地方やさなあ。 おりぃの友達に開田村のばあちゃんがおるんやけど、あのばあちゃんにこそ、 べんこうくさいって使うか今度、聞いてみにゃだしかんな。そしゃな。 |
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