飛騨方言名詞・はちはん、ですが、自由、勝手、当然の権利、というような意味の言葉です。
漢字は八半が当てはまり、原義は85%という意味のようです。
村などに入会地、入会山、いわゆる村人の共同所有の山がありますが、
その山の芝の85%は村人の誰でも自由に刈ってよい、つまりは一半(15%)は共同用に残しておく、
というところから出てきた言葉のようです。
意味が転じてしまい、大半の部分を当然の権利として自由に処分することから、自由、勝手、当然の権利、
という言葉になったようです。
おそらく死語はちはん(=フリーパス)、の文例
はちはんで映画館に入る
(=実は映画館の事業主の家族、木戸御免)
その道ははちはんでとおりゃええ
(=その道は通行税を払わず大きな顔で
通ればよい。)
あのふたりの仲ははちはんや。
(=公然の仲だから夫婦も同然です。)
人に迷惑かけて、はちはんの顔しとる。
(=迷惑かけた、とこれっぽっちも
思っていないようだぞ。どういう奴だ。)