飛騨方言・がさ、ですが、勿論、共通語の"がさつ"が訛って飛騨方言と化したのでしょう。
がしかし、飛騨方言・がさの意味は共通語"がさつ"とは微妙に異なっています。
"がさつ"は三省堂新小辞林に、落ち着きがなく、粗暴な事と説明があり、主に人の行動、性格など
について悪い意味で用いられる言葉です。
今グーグルでネット検索しますと、がさつな女で2400件、がさつな男で1080件、
がさつな大人で21件、がさつな子供で554件ヒットしました。
勿論、ネット情報というものはとかく出鱈目な情報も多いのです。ですから、このような数字に
何の意味もありません。ですから、当記事によって女の子が今後、当サイトを見向きも
しなくなる事はまさかないだろうと私は祈念して記事を書いています。
ネット検索しますと、がさという言葉を方言で紹介しているサイトは多く、実にさまざな
意味で紹介されています。かさ(=量)の濁音語などが代表例です。
がしかし、"がさな"+方言で検索しますと、途端に飛騨方言のみになってしまいました。
従って、この"がさな"こそ当フォーラムが自信を持って紹介します代表的飛騨俚言といえます。
さて飛騨方言"がさな"が共通語"がさつな"とどのように微妙に意味が違うかといいますと、
飛騨方言では主にものの形、形状、状態に対して使用する事が多く、
人に対して粗暴な性格を指すことは寧ろ少ないのです。例文ですが、
愛地球博のアフリカの何とか言うパビリオンやけど、なんてまあ、がさな作り方なんや。
あんな作りでゃ台風が来りゃあのパビリオンだげ飛んでってまうぞ。アフリカにゃ台風ぁ無いでナア。
ピカソかピカリか、なんやら知らんけど、あんながさな絵のどこがえんやら、わたしら年寄りにゃ
さっぱりわからんさ。
冒頭のネット検索に戻りますが、がさつなエンジンの回転、がさつな味付け、がさつな包装、等々の
表現も散見されますが、形状がいびつであるという意味の表現は見受けられないように思います。
実は、以上が前置きで、やっと本題ですが、飛騨方言の言い回しに、がさな顔、という言い方が
有りますが、例え鬼瓦のような、獅子舞の獅子そのもののような顔の女性がいても、その方に決して
ゆめゆめ"あんた、ちょっとがさな顔やな。" などと言わないでください。これは
飛騨方言ではありません。飛騨暴言です。
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