"かいど"という語は全国各地の方言してネット情報がありますが、
単に街道が訛った言葉ではなく、話はやや複雑です。
共通するのは家の外、という事になりますが、地域によりその概念は異なり、
家の外ならどこでも、文字通り街道、道から玄関までのアプローチ、等々の表現が見られます。
かいど 街道
文字通り、四拍語かいどう、の短呼化。意味は街道。
かいど 垣内
垣内は、かいと、と読み、民俗学の言葉になりますが、
飛騨方言かいど、はこの言葉の濁音化です。
かいと、の意味は二つあります。ひとつは、住居の垣の中、つまりは
中庭、かきつ、を意味します。
もうひとつは村を小分けにしたある一定の区画、小部落、という意味です。
飛騨地方では、谷垣内・たにがいと、中垣内・なかがいと、などの
苗字に現れる事があります。
或いは小字などの地名、つまりは元々の意味、を示す事もあろうかと思います。
たにがいど・なかがいど、にならない理由はライマンの法則に
拠る事は書くまでもありませんね。
かいど 垣外
この読みも、もともとは、かいと、です。
これが飛騨方言では、かいど、と濁音化しているのです。
垣外の意味は垣内の逆で、家の外、の意味です。
街道を示す事もあり、この場合は意味が偶然に一致する
のですが、実は飛騨地方以外では垣外は畑の意味もあるようです。
飛騨方言では畑の意味では用いられません。
さて飛騨方言・かいどは日常会話語に限定しますと、玄関先、ないし、道から玄関までのアプローチ、という意味です。
玄関先で遊べば、"かいどで遊ぶ" と言いますし、
家に隣接する街道で遊べば、"道ばたで遊ぶ" と言い、
"かいど"の意味は、あくまでも自宅敷地内を指す事が多いでしょう。
一方、飛騨方言ではありませんが、越中(富山)と飛騨(岐阜)を結ぶ交易ルートの飛州高山道を
かつて寒ブリが運ばれ別名・ブリ街道といいます。
また平成の造語ですが、国道41号の富山市―岐阜県高山市間はノーベル賞受賞者四氏にちなんで
ノーベル街道と呼ばれています。
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