動詞・ごがわく、は、業がわく、が訛った表現であり、広く全国各地の方言です。
小学館方言辞典には、富山県、石川県江沼郡、福井県、山梨県・南巨摩郡、
長野県、静岡県、愛知、三重県志摩郡、滋賀県蒲生郡・彦根、
兵庫県、鳥取県東、隠岐、岡山、山口県、徳島、香川、福岡、大分、
とあり、中部地方以西を網羅しています。
意味は字のごとく、人間として押え切れない感情、業、がわいてくる、と言う意味で、腹が立つ、
という意味で用いられます。
飛騨方言では、東京語に同じく、業、のアクセントは平板型です。
ところがこの動詞は頭高になります。
拍数の違いですが、発音が早い場合は、ごがわく・▼○○○、
ゆっくりの場合はおのずと、ごうがわく・▼○○○○、になります。
また、語頭・ご、は必ず強アクセントでしょう。
同意の飛騨俚言動詞にごわかす(ごわがす)・頭高四拍▼○○○、があります。
ごわかす、は上記辞典には記載がなく、且つ、
飛騨からのネット発信に限られるようです。
つまり、俚言の可能性がありましょう。
こちらは、業をわかす、と言う意味で、
ごがわく、と同様に、頭高かつ強アクセントになります。
また、ごわがす、は鼻濁音には決してなりません。
語源から、
ごがわく、は自動詞、
ごわかす(ごわがす)は他動詞、の違いがあります。
(対象)に対してごがわく、(対象)をごわかす(ごわがす)、
の使い分けがありましょう。
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