午後三時ころのおやつの事を示します。全国の方言として紹介されています。漢字の表記は小昼です。
もっとも子供のおやつの時間ではなく、農家などで、午後の重労働で、
どうしても三時頃にはお腹がすいてしまうので、全員がさっと食事を済ます事を指し示します。
家の近くでの農作業であれば家に戻り、こひるを済まし、あるいは遠くでの農作業の場合は、小昼用の
弁当を用意して午後の農作業にでかける次第です。
呼び方は、飛騨地方でも微妙に異なっているらしく、こびる、こびり、こぶり(下呂地方)などでも呼ばれているようです。
全国の方言である関係上、古語辞典にも小昼は記載されています。ただし三省堂新明解古語辞典によりますと、
朝食と昼食の間にする食事の事と記載がありますが、本当かなと疑問に思います。
農家の仕事は、朝飯前に一仕事があり、これをあさくさ、といい、そして朝食、数時間働くと、
私の村では十一時に小学校のサイレンがなり、時計のない野良仕事中の人々にそろそろ午前の
仕事のきりにしてください、というサインになります。昼食を食べ、昼ねをして、ひと働きして、小昼、
またひと働きして、日が落ちて帰宅、風呂、夕食という生活サイクルから考えますと、
朝食と昼食の間に食事をするような優雅な時間はとても無いはずです。もっと労働時間の長い午後を
どうせよというのでしょう。私は三省堂辞書の記載は間違いであると直感します。
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