木で鼻をくくる、という言葉がありますが、
正しくは、木で鼻をこくる、のようですね。
よく考えてみたら、木で鼻をくくる事など不可能です。
ただし、古語動詞こくる・他ラ四・こするの意味・文例(迹祭、一茶)、
に気付きますと、意味が解ります。
ここまでが前知識で、後は上記の語を
キーワードにネット検索をするといくらでも
情報が得られ、語源の世界で一時間以上、遊べるという訳です。
おまけですが、ネット情報では得られなかった事を
お書きしましょう。小学館の全国方言辞典で、こする、
を検索しますと、やはり、各地の方言で、こくる、という
言葉が使用されていました。
岐阜県も入っていました。
飛騨地方ではかつて話されていたのかも、と期待して、
土田吉左衛門著・飛騨のことば、を引いてみますと、
やはり、こくる、が垢をこくる、の文例と共に
記載されていました。
ところが、こくるという動詞は、明治生まれの祖母等四人部隊の飛騨方言シャワー攻撃で
育てられた筆者自身は一度も聞いた事がありません。
つまりは戦前に大西村以外の飛騨地方で、こくる、が
話されていたのでしょう。
ただし、やはり現在は死語に近いのでは。
実は、以上が長い前置きです。
冒頭に戻ってネット検索の続きですが、
例えば母にこくる
などの言葉も飛び込んで参ります。
某女史の闘病日記を拝読いたしました。
お大事になさってください。
つまりは、最近、主として若者言葉として、
告白する、という意味で、こくる、という
動詞が用いられているようです。
新日本語です。
飛騨地方でも、お若い方のメールのやり取りに
用いられているものと直感しますし、
主な用法は愛の告白でしょう。
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