飛騨方言で、紙幣、あるいは時により硬貨、を寄り貨幣価値の低いものに両替えする、くずす事をいいます。
勿論、整っているものを破壊するという意味の、壊す、の転用には違いありませんが、
意味は全くその逆で、使えなくする、(例えば、話をこわす)のではなくて、
(使えない紙幣を)使えるようにする、という事になります。
両替えするという意味の、こわす、は名古屋方言などにも見られ、また地域によっては、
例えば千円札十枚を一枚の一万円札にする場合など、くずすの逆の意味をも、こわす、
という事があるようです。
飛騨方言では、くずす、の逆を、なおす、とは言わず、かえる、と言うと思います。
一方、飛騨方言では、共通語の破壊する、に相当する動詞は、いたまかす、を用います。
いたまかす、は勿論、共通語・いためる、に近い言葉です。
がしかし、いたまかす、はもっぱら、損壊させる、見て明らかな物理的な損傷を与える、という意味で用いられ、
いためつける、見た目が正常でも機能がそこなわれる、一見正常にみえても食物の腐敗が進行している、
という意味ではないようです。
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