飛騨方言で赤ちゃんの事を、ぼぼ、といいます。観光土産として有名な、さるぼぼ人形ですが、
さるぼぼ、というのはサルの赤ちゃんという意味なのです。そして、飛騨方言のことばに、ぼぼみ、
というのがあります。生まれた赤ちゃんを品評しに、産院あるいはご自宅へお祝いがてら、お邪魔する事をいいます。
お目にかかるなり、この赤ちゃんはまるでサルボボじゃないか、と思っても、そこはお上手に、
おうおうつぶらな瞳でお母さんによく似てべっびんさんで、などと言っておけば世の中は万事丸く収まります。
おっと脱線しましたが、まねしぼぼ、を品詞分解しますと、サ変動詞・真似せる、の連用形+飛騨方言名詞・赤ちゃん、
という事で何でも人の真似をしたがる赤ちゃん、という意味です。
大人が赤ちゃんの真似をする事を指すのではありません。ところで、サ変動詞・真似せる、ですが、ひとり連用形のみ共通語と同じく、その活用が、し、となります。
未然、終止、連体、仮定、命令は特殊であり、共通語とかなり異なります。
また動詞連用形が形容詞句になる用法は例えば、招き猫、絵かき屋、などがあります。
つまりは、おとなが赤ちゃんに対してイナイナイバアをするのを受けて、
乳児が大人に対してイナイナイバアで受け答えると、まねしぼぼ、という訳です。
ままごと遊びも、まねしぼぼ、と言う事になります。
応用ですが、甘えた赤ちゃんなら、飛騨方言で、あまげぼぼ。共通語・甘える、は、飛騨方言で、あまげる、です。
泣いている赤ちゃんは、泣きぼぼ、笑う赤ちゃんは、笑いぼぼ、と言っても飛騨方言のセンスに合っていると思います。
|