飛騨方言・まんくり、ですがあれこれ都合をつけること、繰り合わせる事をいいます。
ネット検索しましても、情報は皆無に近く、
飛騨地方から(当サイトを除いて)わずかに二件の方言情報の発信があるのみでした。
そのひとつ、初代飛騨市・市長の船坂勝美氏の座右言は、ご自身が飛騨一の
“まんくり上手のかいしょ持ち、
と言う事で、この飛騨俚言がお墨付きとなりました。
もうひとつは、やまのかずや氏の方言教室パート2の
都合をつける=「まんくり」
の文です。
両氏に深謝します。極めて稀な言葉には違いなく、飛騨俚言を代表する言葉であろうと筆者なりに考えます。
俚言である以上、まんくりの語源は不明と言わざるを得ませんが、
常識的に考えますと、万障繰り合わせる、という言い回しが詰ったことばで
あろうと筆者なりに考えます。意味は全く同じです。
つまりは、まんくりとは、よろずのさしさわり(=万障、ばんしょう)を繰り合わせる
事を指し示す言葉です。おそらくは
ばんしょうくりあわせ>ばんしょくりあわせ>ばんくりあわせ>>ばんくり>まんくり
と語変化したのであろうと言うのが筆者なりの推察です。
偶然ですが、前記・船坂氏の言・かいしょ持ち、も甲斐性持ちが詰った言葉ですね。
万障をつい、ばんしょ、と言いたくなるのが容易にご納得いただけますでしょう。
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