大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

なまかわ・飛騨方言

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なまかわ、は共通語の、なまくら、に相当する飛騨方言で、なまくらをする事、 という意味です。 さて旺文社古語辞典によりますと、
なまかは・生皮、名詞・形動ナリ、なまけるさま、なまけもの、 ものぐさ、例文は鶉衣(=天明7(1787)年〜文政6(1823)年)
ですから、なまかわ、は近世語という事がお分かりでしょう。

蛇足ながら同辞典には
なまくら・鈍、名詞・形動ナリ、刃物の切れ味の悪い事、 なまけもの、例文は 歌舞伎三十石(舟登)始 (=宝暦8年(1758)さんじっこくよふねのはじまり)
の記載があります。

以上を敷衍しますと、実は、なまかは・なまくら、は共に近世語であり、 片方が訛って片方になったのではないようですね。 されど前者は飛騨方言に残るもののやがて中央では廃れ、 後者は江戸後期にも中央では残り、 従って明治に至って東京語となって、 現在の共通語の位置を占めている事が 皆様、もはやお分かりでしょう。

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