刈り終わった稲を田でそのまま数日の間、吊るし掛けて自然乾燥させるために丸太ん棒で即席に
作るやぐらをはさ(稲架)と言いますが、昔の日本の典型的田舎風景とも
言えましょう。キーワード・はさ(稲架)でネット情報が相当数がヒットします。
全国に各種のはさ形式があるようです。
さて、はさの材料は丸太ん棒とわら縄のみです。
この丸太ん棒の事を飛騨方言で、なる○●、というのですが
ネット情報は皆無、各種古語辞典にも国語辞典にも記載がなく俚言ではないかと考えます。
なるは直径十センチ未満、長さ数メートルの乾燥木で勿論、樹皮はすべて削ぎ落としています。
一本が結構な重さなので、移動が困難です。
つまりは不要な時は自分の家に保管しておくのではなく、
戸外、つまりは田の畦に小屋を作り保管します。
この小屋を、なるごや○●●●、というのですが、なる同様やはり俚言のようです。
なる、の語源については不明と言わざるを得ません。
まるた○●●、が訛ったのでしょうか。
がしかし、内省しますと、まるた○●●−>また○●、にどうしてもなってしまいます。
なる、の切り口はまん丸で、
なる小屋の入り口はこの切り口が密集している風景ですから、まる○●−>なる○●、
のように訛ったのでしょうか。
広辞苑によりますと中国・四国地方の言いで平坦な場所を、なる(平)、と言いますが
飛騨俚言・なる、とは無関係でしょう。
余談ながら、はさ、の語源は、はさむ・挟む、のようです。
また飛騨地方以外では、俚言・なる、を、はさぎ(稲架木)、という地方が
多いようです。
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