飛騨地方は結構広いので実は同じ語源の言葉が
村々で異なっている事は当然といえましょう。
せらい(=さっさと)、という副詞ですが、
筆者の村でこれを、せで、という人がいる事をお書きしましたが、
実は峠ひとつ隔てた隣村(高山市一宮町)の言葉と判明しました。
一宮町では、せらい・せで、共によく用いるそうです。
小生が今まで考えていた事、つまりは飛騨は広いのだから
端と端では言葉が違うのだろうし、せらい・せで、は言葉が
随分異なっているので若しかして飛騨の端と端の言葉の言葉かも、
と思っていたのです。ところがさにあらず、隣村の言葉同士で
あったとは。
さて、せらい・せで、の語源は
精出いてだそうです。
また面白い事に筆者の村の人々は、せらいの語源・精出いて、
を実は知らず、せらい・精出いて、の両語を使っているのです。
さっさと精出して、という意味で、せらい精出いて、と
いっても筆者の村の方言のセンスに合うという訳です。
全国に、精出いて、から変化した言葉が
あるようですが、やはりサ行イ音便の地方なのでしょうね。
確か岡山県のどなただったか"せらい食い"という言葉を
使うブログが筆者の目に留まりました。
質問しますと、語源はわからないが意味はガツガツと食べる事で
す、とのご返事、それはさておき、
筆者がかつて住んだ飛騨のとある村と岡山県で同じ言葉・せらい、が
使われ、我が故郷の実は隣村で、別の言葉・せで、が
使われている、という事に何とも珍妙な気持ちになってしまいました。
早い話が、せで、は高山近郊でよく使われているのでしょう、
あるいは飛騨全域で(あるいは全国で)使用されている可能性もなきにしもあらず、
という所でしょうか。
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