飛騨方言の形容動詞で、らちがあく、という言い回しが変化して、一単語となったものです。らちあく>らちいく>らちく>だちく、と変化したと考えられます。
さて飛騨方言としては、らちがあかない、という意味で、だしかんさ(=駄目な事だ)、という形容動詞的表現が良く知られています。つまり、だちく、とは、だしかん事はない状態である、という意味で、だしかんの反対語です。
だしかん、は活用・派生して、例えば、だしかまい(=だめだろう)、という表現がありますが、だちく、は、だしかまい、という問いかけに、"いんにゃ、だちく。(=いいえ、いけますよ)"と応答して使用しますが、例文の如く活用しません。
ただし"だちく"には終助詞(ぞ、さ)がつく事が多く"だちくぞ。"といえば男性表現、"だちくさ。"といえば男女共通表現になります。ともに、"(だしかん事はない、)いけますよ。"、という意味になります。 |