いろいろ意味があり、大変な、凄い、とんでもない、いかめしい、
馬鹿馬鹿しい、馬鹿げた、愛もない等々の意味で用いられます。
例としては、たいもない話、といえば、他愛もない話、大げさな、大ほら吹きの話という意味にもなりますし、
また、万博入場者が五百万人とは、真実ではあるが大変な、凄い話という意味にもなります。後者の場合、
真実の話である以上、他愛もないという、もとの意味で使用されているのではないという事がわかります。
たいもない格好といえば、ふざけたような、他愛もない、ピエロのような格好という意味ではなく、
寧ろ純白のドレスにダイヤをまぶした賢覧豪華な衣装に呆れ果てる、見惚れる、心奪われるという
場合の事もあります。
副詞として用いられる場合は、たいものう、と、ウ音便化する事が多いようです。
意味としては、とても、ものすごく、となりますが、これも会話によって、あれこれ
違った意味になるようです。
たいもない、の反対語ですが、ひとつに、しんびょう、という名詞があります。
神妙とほぼ同意ですが、かしこまる事、改まる事、まじめにきちんとえりを正す事で、
例えば、たいもない話、の逆は、お坊さんや校長先生のしんびょうな話です。
語源としては、益体・ヤクタイモナイコト(日葡 Yacutaimo naicoto)でしょう。「他愛もない」から派生した形容詞句、或いは、相撲の言葉「体」つまり勝負を続け得る姿勢の活用形「体がある・体もない」から来ている言葉かも知れません。
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