飛騨方言・たいてでない、ですが、なかなか大変な状態である、という意味の形容詞句です。
ネット検索しても、飛騨地方以外の発信がなく、飛騨方言に独特の言い回しという事になりましょうか。
意味から類推しますに、たいてでない、は、たいてい(大抵)でない、が訛った言い回しなのでしょう。
アクセントは、な、です。たいてで、は上がり調子です。
さて、共通語の、たいてい(大抵)、ですが、これがまたあれこれ沢山意味があり、例外的には随分、ないし大層、という意味ですが、
普通の意味は、おおかた、おおよそ、おおざっぱ、だいたい、という事です。
飛騨方言の、たいてでない、という形容詞句は、従って、おおかたではいけない、おおよそではいけない、
おおざっぱでもいけない、だいたいでもいけない、とにかくキチンとしていなくてはいけない、という意味で用いられ、
意味がだんだん敷衍して、(そのようにしなくてはいけないという事は)なかなか大変な状態である、という意味で使われるようになったようです。
文例ですが、"大西さんはあれこれ義理があるもんで招待状を五百も出いたそうやが、たいてでない(=なんとまあ大変な事だ)。"、
"大西さんは読みゃ一分のホームページ一枚書くのに一時間も調べ物するそうやが、たいてでない(=ご苦労様ですね)。"
というように使います。
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