大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

とおし・飛騨方言

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とおし、と言う体言ですが、飛騨方言では共通語と少し異なった用い方になります。 共通語ではブッとおし、という粗野な言い回しに代表されるように、はじめから最後まで通して、 という意味ですが、一方、飛騨方言では、頻回、しょっちゅう、常に、飽きもせず何度も、等々の意味で 物事の頻度が多いさまを表すようです。

日葡辞書(にっぽじしょ) とおして・とおしで、によりますと 通して 引続いて 継続して、と説明があり共通語に近い説明です。 全国の方言ではありますが、ネット情報としては天草方言などの発信があります。

用例ですが、ありゃあよう図書館いくなあ!(あの子はよく図書館へ行くね!)という問いかけに対して、 うん、とおしや(うん、いつもだ) 、といえば形容動詞的な表現です。 平凡な解説と言えましょう。 問題は
うん、とおしいくんや。(うん、いつもいくよ。)
という副詞表現です。 もとより、通しは動詞・とおす、の連用形ですから、通し+助動詞て(古語助動詞ツ連用形の転)、の助動詞部分が 脱落した言葉ではありません。一方、図書館行く、という飛騨方言の表現は、格助詞に、の脱落です。

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