トロイカとは昔のロシアで特有の三頭立ての馬ぞりで、
雪の白樺並木♪♪ 夕日が映える♪♪ 走れトロイカ朗らかに♪♪ 鈴の音高く♪♪
のロシア民謡はどなたもご存知でしょう。
勿論、飛騨方言ではそのような意味ではありません。
この外来語は実は厳密には飛騨方言ではなく、正確には大野郡久々野町方言です。
もっともこの町名は既に幻の町名となり、町は平成の大合併で高山市に併合されています。
さて久々野方言のトロイカとは。
トロイカとは、この町のスキー場が昭和三十年代にオープンした当初の
スキーヤー用の乗り物です。
形は大きなそりであり、スキーを履いたまま数名が相乗りします。
トロイカは一方向・無限ループのリフトと異なり、
一本のつるべの両端にある二つの桶を交互に上下して水を汲み上げるのと
同じ原理で人をゲレンデ内で数百メートルの距離をピストン輸送します。
つまりふたつのトロイカの先頭同士を一本のロープで繋ぎ、
このロープを丘の上の降り場で操作する、
つまり乗り場のトロイカを降り場まで引っ張りあげ、
と同時に降り場の空のトロイカを自重により自らの乗り場位置に後ずさりさせます。
問題はそのスピードです。とにかくこれが何ともはや亀さんのように遅い乗り物で、超ノロノロ運転しているので、
あまりにも"とろい"スピードなので、実は"トロイカ"なのでした。
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