共通語のカメムシ(亀虫、椿象、くさがめ、へっぴり虫)の
事を飛騨方言ではヘクサムシというのですが、屁臭虫、の
漢字をあてるべきでしょうね。語源は書かずもがな、さわると
猛烈な悪臭を放つためです。
吉田金彦編著語源辞典の丸写しですが、その形が亀に
似ている事から名づけられたそうな。また亀虫は古語ではホウ、
だそうです。
貝原益軒・大和本草にホウ・亀虫は好んでほうつき草の葉
を好んで食べるのでほうつき草(ホオズキ)というなり、という記載が
あるそうで、またその実もホオズキというようになったそうです。
ところが亀虫は果実は食べようとはせず、むしろその葉を好むのですが、
つまりは果実は嫌いという事なのでしょうその果実がよりによってホウ+好き、
つまり亀虫が愛するもの、という意味になってしまったようですね。
共通語・亀虫は、虫の形を愛でた名称になりますし、
益軒先生は草木・ホオズキ、について
言及されるのもなかなか雅ですが、それにしても
飛騨方言では、屁のように臭い、と何とも早、露骨過ぎる名前、
品がない、触っちゃだめ見るだけならヘクサムシもなかなか可愛らしい
という事でしゃみしゃっきり。
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