大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

とちかんじょ・飛騨方言

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超大型の毛虫のクスサンですが、飛騨方言ではトチカンジョです。 俚言の可能性があります。ネット検索しますとわずか数件の情報のみで すべて飛騨からの発信です。 筆者自身はトチカンジュと呼びますが、本質的な事では ないでしょう。北飛騨からの発信があり、筆者の村は 旧高山市に峠ひとつ隔てて南隣ですから飛騨全域で この言葉が用いられている可能性があります。

全国の方言の中にはこの毛虫を、しらが太郎、しらが太夫、しらがじじい、 等と呼ぶ地方もあり、佐七は思わず笑いました、確かにそうや。 語源については書かずもがな。さてトチカンジョの 語源は何でしょう。俚言ですから自分で考えるしか ありません。と言っても、この毛虫は栃の木の葉を餌として 好みますので、栃+カンジョ、からきている事は 明らかです。

問題はカンジョの語源です。 正直申しますと、私にはよく分かりません。 寛恕、官女、感情、勘定、管状、環状、勧請、など ありましょうがおそらくどれも外れでしょう。 飛騨に伝わる方言、民衆の言葉ですから難しい漢語を並べても 何の意味もありません。民俗学の常識でしょう。 平易な言葉を考えねばなりません、でもこれがなかなかねえ。

いささか漫談ぎみですが、実は私なりに大真面目に真剣に丸々一日考え続けた 結論が終にでました。栃+怪獣、が語源であろうと考えます。 学術名 Caligula japonica の和訳といってもいいでしょう。 とにかく発想は素朴にいきましょう、この毛虫をみて 誰もがとっさに感ずる事は、でっでっでかい、でかすぎる。 まずはびっくりして、暫くして気持ちが落ち着いてよくよく見るとしらがじじいにも 見える、というわけで、学術名も結局は、びっくりした、という深い意味で名づけられて いますので、栃の木の怪獣・とちかんじゅ、じゃなかったっけ、 トチカンジョという事 でしゃみしゃっきり。

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