大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

だしかんの語源発見物語

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飛騨方言にだしかん、という言い回しがあるのですが、 だめだ、という意味です。 この語源について私が教わったのは実はNHKアナウンサー故・宮田輝氏からです。 今、ネット検索しますと、氏はNHKの長寿番組・NHKのど自慢の司会者を 1949〜1966.03まで勤めた、とあります。

そしてその彼が現役の時にNHKのど自慢が飛騨高山市にやってきたのです。 いつの年だったのかどうにも記憶がはっきりしなくて悲しいのですが、 1966年の可能性があります。ならば私が中一でした。 あるいはそれ以前なら私が小学生の時の話、およそ四十年近い昔の話になります。

とにかくある日の日曜日、ついに飛騨にやってきたNHKのど自慢・高山市会場に行けなかった佐七さん一家は固唾を呑んで 自宅で生放送を見入っていました。 ある老人が、熱演賞ものでしょうが金ひとつの歌を歌うや否や宮田輝氏の 名司会が入ります。
宮田氏・・・"どうでしたか、今日の調子は?!"
老人・・・・"いやあ、だしかなんだ。あがってまって。"
宮田氏・・・"あらあ、だしかなんだ、とは・・らちがあかなかった、
という事ですね。普段はもっと名調子なんですよね。
また聞かせてくださいね。お疲れ様でした。では次の方どうぞ!"
とまあ、こんな感じの生放送が数十秒流れた、その瞬間をいまだによく覚えているのです。 私が、ほう!語源ですか!方言も実は学問ですか!、と子供ながらに感じたまさに歴史の一瞬間であったというわけです。

とにかく、私とて当時飛騨っ子、普段なにげなく使っている言葉・だしかん、でしたが 実は意味も考えずに使っていたのでしたが、 さすが天下のNHKの看板アナウンサー・故宮田輝氏、 の一言でした。 こうやって当飛騨方言サイトのコラムに取り上げられている事までは 宮田氏は想像できなかったのではないでしょうか。 勿論、氏は、
たとえホンの一言でも的確な言い方であれば、他人の心に生涯刻むことが出来よう
という事は十分にご存知だったのでしょうガネ。

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