大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源

どんねもない(1)

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今、2007 年の後半ですが、今年もだんだん広範になると今年の流行語、という のが話題になります。時々読む週刊誌などに、どんだけ、というのが 有力候補との記事がありました。 どれだけ、という言葉の撥音便であり、飛騨方言ともいえなくも無いという事です。 この言葉はテレビで流行っているのでしょうかね。実は私はほとんどテレビは見ません。

さて、飛騨方言に、どんねもない、があるのですが、意味は、どうって事ない・ 大丈夫だ、です。用例は例えば、急に目の前で人が倒れたとします。 びっくりして駆け寄り、
どしたんやなあ!どさないがなあ!?
意味は、どうしたのですか!大丈夫ですか!?(=造作の無い事ですか!?)、ですが。 返事は例えば、
ありがと、かにな、どさねって、どんねもねえさ。
その意味は、ありがとう、(びっくりさせて)堪忍ね、大丈夫です、どんねもないです、という事 なのですが。

どんだけ、の意味は、どれだけ、ですから、 飛騨方言・どんねもない、は、どれねもない、などと考えてはいけませんね。 まるで日本語になっていません。

でも佐七には語源がわかります。 ずばり、どれなるあやまちにもあらず、が語源でしょう。意味は、どんねもない、とピタリあっています。 つまりは
 どれなるあやまちにもあらず
 どれなる事にもあらず
 どれなるにもあらず
 どれなんにもあらず
 どんなんにもあらず
 どんなんにもない
 どんなにもない
 どんねにもない
 どんねもない
どうですか。図星でしょう。 どんな>どんね、の変化あたりが飛騨方言の音韻そのものですね。 こんねぎょーさんのごっつぉ、と言えば、こんなにも沢山のご馳走、 という意味の飛騨方言です。 将来は、どねもない・どねもね・どねね・どね、と更に進化していく飛騨方言なのかもね。

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