大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源

ひとくみ

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人見知りの事を飛騨方言で、ひとくみ、というのですが、 小学館標準語引き方言辞典では、人見知り、に関しておよそ 五十個以上の単語が記載されており、方言量は多いのです。 ひとくみ、は岐阜県地方、との記載でした。 飛騨美濃共通の方言の可能性があります。

語源に関する推察を書くもの野暮という事でしょうか。 共通語・ひとみしり、とは、人を見て知る、の意味に 他ならず、また飛騨方言・ひとくみ、は 古語動詞・くむ・汲む・酌む・意味(相手を思いやる、推し量る)、 に由来する言葉でしょう。 実は上記小学館辞典に戻りますが、 おくみ(下伊那)、おくめ(郡上)、が記載されています。 飛騨方言・ひとくみ、と同根ではないでしょうか。

さて実は、古語辞典にひとみしり、の意味で どのような言葉がでてくるかというと、 おもぎらひ面嫌、ひとおくめん人臆面、がありますが、 肝腎の、ひとくみ、の記載がないのです。 語源を語るには・・弱ったこっちゃえな。 つまりは危うし、ひと汲む説。でも佐七は信じたい。

ひとみしり、のそもそもの意味は幼児が見知らぬ人を 嫌ってモジモジとする様、ですが、人間の成長段階 での通過儀式という事でしょう。 大人は逆ですね。他人のほうがホッとする、ふふふ。

大人の場合は、あらいやだ・こんな所でご一緒に なろうとは・挨拶すべきか・せざるべきか・ それが問題だ、という事で悩まされます。 相手方はどうみてもお忍びのようですから成るべく 目をそらすのですが運悪く目と目が合ってしまった場合は、 それでもありがたい事にウインクという挨拶の仕方がありますね。 それは、今日ここで会った事はお互いに話さないで おこう、という紳士協定の成立する歴史的な瞬間です。

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