うーん、驚いてしまいました。
小生もある生業であれこれ書いていますが、
とにかく早く書いたほうが勝ち、と言う事で早速に
アップロードですが( uoploading this article on 2008/9/9, 5:00 AM JST.)。飛騨方言に、けなるい(=うらやましい)、という形容詞があるのです。
意味は、異(け)なり、とても変わっていて珍しいからうらやましい、
ここまでは誰でもわかる。
私事で恐縮ですが、とうとう日葡辞書を買いました。一杯機嫌で、
パラパラと見始めて、けなるい、の項目あたりも目にとまったのです。
ところが途端に、頭が引き裂かれました。
quenarige けなりげ。それの良い面に対して人が羨望の念を抱くような事。
あるいは、あやかりたいとか、得たいとか、望ましく思う事。
quenarigena quenarigeni (副詞)なども推して知るべし。
目からうろこ、はやい話が、共通語・けなげ、と飛騨方言・けなるい、は同根という事なのでしょう。
安土桃山時代の言葉・けなりげ、と現代語共通語・けなげ、両語の意味は、実は全く同じです。
けなりげ、が、けなげ、に変化したのです。
間違いありません。
ただ、り、が脱落しただけ。
あるいはどなたか既に書いてお見えでしょう。
がしかし、けなげ=けなるい、これは飛騨人でないと気づく事は難し。
ところが飛騨方言では、安土桃山言葉・けなりげ、が形容詞・けなるい、にしか派生しなかった、
という事のようです。名詞・体言、けなげ、は飛騨方言ではありません。
共通語です。また、けなりげな・けなげな、および、けなりげに・けなげに、
という副詞(句)も飛騨方言としては成立しませんでした。
以下はまとめに。
まとめ
日葡辞書記載からツラツラ感ずるに、共通語・けなげ、の
語源は、けなりげ、である。
安土桃山期体言・けなりげ、 は飛騨方言では、けなるい、という形容詞に
変化した。
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