大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源

きもい

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ネット検索しますと、きもい、は若者のざれ言葉の情報しか出てこないようですね。気持ちが悪い、という意味で使われ、あまりいい意味ではありません。他人の容姿に対する誹謗中傷に用いられるようです、ただし、これは列記とした飛騨方言で、服や靴などがきつい場合や、戸や机の引き出しに対してもきしんで開け閉めが困難である場合に用いられます(東京堂出版地方別方言語源辞典、2007年初版、135頁)。

同書によれば、きもい、は、きぶい、という語に関係があるとされ、愛知では、人の精神的に厳しい性格を表すために用いられ、きびしい、にも通じる言葉だそうです。

ここまでヒントを書けば懸命な読者の方にはお書きするまでもない事ですが敢えて、つまりは、古語辞典の、けぶたし・煙たし烟たし、形ク、が本当の語源である事にお気づきでしょうか。けぶたし、は煙で息苦しい・けむたい、という意味の他に、気づまりだ・窮屈だ、の意味があります(いと苦しき判者にも当たりて侍るかな、いと−・しや、源・梅枝)。

手前の資料では加藤毅編岐阜県方言地図第二集の Map-518 に収載されています。

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