大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

くじな・飛騨方言

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タンポポの事を飛騨方言で、くじな、というのですが既に死語でしょう。 ネット情報としては皆無に近いのですが、おそらく郷土料理でしょうか、くじな汁という 言葉がヒットします。各種古語辞典にタンポポの古語の記載がないのですが、 方言資料(小学館・お国ことばを知る方言の地図帳)に 記載がありました。 タンポポについては平安期の書・本草和名にある、蒲公草 和名・布知菜、名多菜、 が最古のようです。つまりは古語では、ふちな、です。 ふちな>くちな>くじな、と変化したのでしょう。 タンポポを、くじな、と呼ぶ地域は群馬・長野・岐阜・神奈川だそうです。 さて、なたな、とも言いこれが後世に訛りに訛って、たんぽぽになったかも知れないと 記載されていました。 なたな>>>>>たんぽぽ、かも。 でも実は日本人の誰も知らない。ふふふ。

これからが推察ですが、〜菜、という言葉である以上、 古代中世の日本人はこれを食していた事が考えられます。 その末裔が上述の、くじな汁好き、なのかも知れません。 また千葉方言に、にがな、があるそうですが、タンポポの汁は 乳色をしていて、しかもとろみがあり、いかにも甘そうであるが、 ところがなめると苦い、という所からの命名であろうとの事です(上記小学館の書)。

また自然食ブームで、たんぽぽコーヒーなるものがありますが、 そういえば私先だって飲みました。割合と本物のコーヒーに近い味ですが、 今ネット検索したらあれは実は根っこを煎じたものだそうで、 方言にがな、とは関係ないのですね。 佐七もエスプレッソのように根っから苦いたんぽぽコーヒーなら 好きになれるのですけどね。ついでですから
千葉のにがな、根っからにがいとはいえど(ドッコイショ)、 根がにごのうて、菜(名)がにがい(はあ、えんやさのえんやさのドッコイショ)
これが笑えるのは飛騨人だけ。 また、古代に日本人は既にたんぽぽコーヒーを(佐七みたいにきどってさあ)飲んでたかも知れないぞ、 と言って笑えるのはこの頁で突然に千葉方言を知った読者のかた。

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