大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

くじな・飛騨方言

戻る

暇な時に手持ち無沙汰と言う事で以前は 原稿を書いていたのですが、最近では病膏肓、 本業そっちのけになりそうな気配で、 やはりいけませんね。本業はつらい事もある、 息抜きは常に楽しい。

ところで最近は飛騨方言の動植物の名前について 考える事が多いのですが、久々野町郷土史本に、 たんぽぽ=くじな、と記載されているそうで。 ふーむ、くじな、とは実は筆者が一度も使った 事も聞いた事もない言葉でした。それでもハッキリと そう書いてあると気になります。

俚言かなと思いつつ、先ほどチラッとネット検索してみたら、 なっなんと、信州佐久方言でもたんぽぽ=くじな、 とは。私は思わず心で絶叫してしまいました。 だってそうでしょ。飛騨と信州、間に立ちはだかる飛騨山脈、 日本一の方言境界線です。つまりは、人の行き来が あって共通言語圏であったわけではありません。

つまりは、古代の共通語、つまりは古語に由来し、 古語辞典に答えがあるはず、と思うと本業そっちのけで、 先ほど書斎へ走っていき、新明解古語辞典を ぱらぱらっと読む事一分、すぐに戻ってきました。

古語辞典にはありませんでした。それにしても タンポポの古語は何でしょう。そしてくじな、の 語源もですが。うーむ、おそらく、くじ+菜、でしょうね。 それと語頭・く、は古来から変わっていないはず。 破裂音で強い音ですから千年以上たっても変わらないはずです。 問題は真ん中の音・じ、が何か別の音だったのでしょうね。 あるいは、古語辞典をやぶにらみして公事菜などとはゆめゆめ思いなさるるな。 ナンセンスです。つまりはクジラの時計は今九時だ♪♪

あるいはこれもたった今の単なる思い付きでして、こじつけかもしれませんが、 くすしな(薬師+菜)、で葉を煎じていたのでしょうか。 あるいは奇(くす)しき勾玉(まがたま)の用例の ごとく、くすしき菜、と愛でる表現からでた 言葉なのでしょうか。とにかく興味が尽きません、 それにしても不思議なくすしき言葉・くじな ( If so, then it's origin is too good to be true. もしそんなら話ができすぎじゃさ)。
続報 タンポポの語源は布知菜

ページ先頭に戻る