大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
アヤメの飛騨方言 |
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私:アヤメはアヤメ科を代表する草本。飛騨方言では、カケツ・カゲツ・カゲツバタ。飛騨方言の語源って、わかるよね。 君:あら、いやな質問ね。ヒントを添えなきゃだめよ。 私:その通り。国語問題の鉄則。答えは問題に書かれている。センター入試などもほぼすべての問題がこれで解答可能だろう。ヒントは・・いずれがアヤメかカキツバタ。 君:ほほほ、それなら簡単よ。飛騨方言ではアヤメとカキツバタを区別せずにカキツバタと言っていた時代があって、尚且つ、カキツバタが音韻変化して、カケツ、になったという事よね。 私:正解です。うーん、ヒントが露骨すぎたか。これでは国語の問題にならないね。では、別問題だ。 飛騨方言ではアヤメの事をカキツバタ(かけつ)と言いますが、語源を導き出すためのヒントを作ってください。ただし、「いずれがアヤメかカキツバタ」以外のヒントで。 君:またまた、嫌みな問題を。これにもヒントを添えなきゃ。 私:はいはい。「いずれがアヤメかカキツバタ」、これば文字通り、二つの花が似通っている事を示す。それを敷衍していろんな比喩表現がある。その比喩表現を列挙せよ、という問題だ。 君:なるほど、美しい花がふたつ、つまりは美人の姉妹のお方に、いずれがアヤメかカキツバタ、と褒め言葉で使えばいいのよね。 私:その通り。なにも見立てだけじゃない。兄が98点、弟が97点の点数をとったとする。要は二人とも素晴らしい出来。これを見て、親は「いずれがアヤメかカキツバタ」と言ってやればよい。どちらも優れていて優劣がつけにくい事の例え。ここまでが月並みな問題。言葉遊びというものは上には上がある。数学には一つの解があり、百点か、そうでないか、の世界だが、国語は違う。文学部の問題にしよう。 君:文学部? 私:小テストだ。「いずれがアヤメかカキツバタ」は甲乙つけがたしを意味するが、音韻から別の意味を考えよ。 君:ワオ、想像もつかないわ。 私:あやめ菖蒲の同音異義語に、あやめ文目、がある。物事の論理的な筋道の事。あやめも知らず、とは古典文学で、物の道理、善悪の区別どがわからない事の常套句。かきつばた燕子花の語源は、かきつけばな書付花、で花の汁で布を染めた事から言う。つまり、素敵な柄の布に、これまた素敵な文章が書いてあれば「いずれがアヤメかカキツバタ」。この問題って高校生には絶対に解けないな。 君:大人でも解けないし、第一に、知っておく必要なんてないわよ。おバカさん。ほほほ |
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