大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

アザミの飛騨方言

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私:今日の話はアザミ。飛騨方言では、いたいたぼぼ。あるいは単にイタイタという事も。イタイタボーズともいう。語源については書かずもがな。
君:「痛い」の畳重語が語源よね。「ぼぼ」は飛騨方言では「赤ちゃん」の意味だわ。
私:そう。飛騨の人形と言えば、サルボボ。猿の赤ちゃん。
君:今日のお話は平凡ね。
私:とんでもない。植物方言の場合、それが日本固有種か、あるいは外来種か、あたりからの調査が必須。アザミは日本の固有種。しかも世界で250種ほどの中で、日本だけでも70種ほどあるんだ。今でも新種が見つかる事がある。アザミの方言量はざっと百以上かな。八坂書房・日本植物方言集成にびっしりと書かれている。
君:わかるわよ。
私:そうだね。飛騨でも、いたいた、いたいたぼぼ、いたいたぼうず、つまり方言量は3。全国の方言では、イタイタの系統語とギザギザの系統語が二大派閥といってもいいだろう。常に注目しておかねばならないのは沖縄と八丈島の方言。沖縄方言は日琉祖語、そして八丈方言は別名が万葉方言。日本植物方言集成によれば沖縄ではツィバナ。これは、ちち父+はな花、が語源という事だろう。八丈方言が見当たらない。八丈方言でもチチハナ父花の系統という事になると世紀の大発見という事になる。
君:アザミは今でも新種が発見されるそうだから、日本全国の方言を探して、いくつかチチハナ父花の系統を見つけられるといいわね。気分は牧野富太郎。ほほほ

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