大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

イチイの飛騨方言

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私:イチイ一位はイチイ科の木本。イチイ一刀彫の木工芸術、飛騨の特産品で有名。
君:イチイはイチイ、これの飛騨方言なんて無いわよ。
私:僕もそう思っていた。但し、方言学という学問の奥深いところで、実は飛騨の方言資料には、へた・へだ、の表記がある。イチイの方言量はざっと60だ。全国的に結構、いろんな呼び方があるようだ。でも、へた(へだ)、と呼ぶのは飛騨と山梨のみ。イチイの別名は、あららぎ。
君:地勢的には無関係な二つの地方だから、へた(へだ)、は自然発生なのね。それに、久々野町アララギ湖の名前の由来はイチイから来てたのね。
私:ははは、その通り。それに面白い事に、へた(へだ)は方言学的には同音異義語。七つの意味がある。
君:へえ、教えて。
私:山麓、山腹、小集落、臆病、犬、いちい(一位の木)、そして、ひだ襞。地域は割愛させていただく。
君:どうも、いちい(一位の木)の語源は、山の襞、じゃないかと考えたくなるわね。
私:そうだね。でも、証拠がない。また、音韻学的にも、ひた・ひだ・へた・へだ・べた、等々が似通った音韻。こちらからの洞察も必要だと思う。まあ、どうでもいいと言えば、どうでもいい話。
君:イチイ一位って文字通りナンバーワンの意味よね。
私:勿論だよ。旧仮名遣いというか、古語では、いちゐ。つまり、いち一+ゐる居。一位ではなく、一つ目に居る、の意味。一位、は後世の間違った当て字。これも国語の専門家ならどなともご存じじゃないかな。一位、の漢字は間違いです、正しくは一居です、などと言おうものなら全高山市民を敵に回すことになる。だからそんな記事は書けないな。
君:なによ、受けを狙うにしては際ど過ぎるわ。それにどの古語辞典にも書かれているのでしょ。いちいち、書くほどの事じゃないから削除してね。お願い。でないと付き合わないわよ。ほほほ

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