大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

カボチャの飛騨方言

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私:カボチャ蕪はウリ科の草本。飛騨方言では、かぶちゃ。
君:それって、すこし訛っているだけのお話じゃないの。
私:いかにも。何も付け足す事はない。国立国語研究所『日本言語地図』 第4集に公開されている。ここ
君:それを一言で要約するのがあなたの仕事じゃないの。しっかりしてよ。
私:いや、御免。カボチャはアメリカ大陸原産だが、天文年間(1532-5)に九州に渡来したのが始まり。ポルトガル船でカンボジアの産物として入ってきたのでカボチャ。九州にボウブラという方言が多いのはポルトガル語の abobora による。他の異名としては、唐茄子、南京瓜、など。当初はカンポチャだったが、18世紀後半から江戸方言としてカボチャが用いられ、やがて東京語から共通語となる。これ以前はボウボラが標準的だった。だから飛騨方言カブチャは19世紀以降という事が推定できる。蛇足ながらカブチャは全国共通方言。
君:なるほど、飛騨では天文年間以降はカポチャ、江戸時代はカボチャ、明治あたりはカブチャ、という事ね。でも今じゃカボチャだわね。
私:その通りでございます。戦前辺りの一時期にカブチャだったという事のようだ。カボチャにはもう一つの見逃せない点として、共通語にも各地の方言にも通じる隠語的な意味がある。
君:隠語?ああ、罵詈雑言という事ね。
私:そう、このカボチャ野郎、などという。醜い女性、低身長の人、等々を意味する事も多い。まあ、使わないほうがいいでしょう。
君:こらこら、カボチャ頭の佐七君、そんな事を書いちゃだめよ。ほほほ

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