大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
ケイトウ飛騨方言 |
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私:ケイトウ鶏頭はヒユ科の一年草。熱帯アジア原産で、古くから観賞用に庭園などで栽培されている。漢名は鶏冠。異名としては、とさかけいとう、けいとうか、けいとうげ。季語は秋。飛騨方言は、とてこっこ(くぐのの唄と祭ばやし"・昭和61年刊行)。 みんなの趣味の園芸 https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-138 ![]() 君:まずは、けいとう、の語源は書かずもがな、と言ったところね。 私:うん、漢名からも明らか、形が鶏冠に似ているからだね。飛騨方言は、鶏の泣き方、つまりはオノマトペ。 君:今日のお話は迫力がないわね。 私:飛騨方言の草木について全て記載したいとの思いから。所謂、乗りかかった船というやつですよ。 君:内容が貧弱では話にならないわ。おまけがてんこ盛りじゃなくちゃ。 私:簡単なところでは、ケイトウの方言量について。ざっと百五十だろう。実は、これが実に笑っちゃうというか、トウケイ・ケイトウ・ニワトリ、この四つの四拍名詞の系統が大半で、コケコッコという方言はゼロ、つまりは飛騨方言・トテコッコは俚言です。つまりは、今夜も俚言を発見、方言の神様にお会いできました。 君:たかが鶏の鳴き声じゃないの。コケコッコからトテコッコ、つまりは少し訛っただけよ。 私:確かにそうだね。でも、僕にはなんとなくわかるんだ。トテコッコが生まれたのは昭和あたりじゃないかな。つまりは、つい最近。当サイトは古代語から現代飛騨方言に至るまで、幅広く日本語の歴史を考えるサイトである。 君:大きく出たわね。コケコッコっていつからの言葉? 私:ははは、待ってたぞ、その質問。コケコッコは明治時代だ。江戸文学にコケコッコは無い。 君:あらあら、それじゃあ、古代からの鶏の鳴き声を教えてよ。簡単に一言でお願いね。 私:望むところ。鶏の和語、つまりは古代語は、かけ。可鶏などの万葉仮名がつく事が多い。万葉集に数首ある。やがて、かけろ、と呼ばれるようになった。ただし、かけろ、は擬態語としても神楽などに出てくる。早い話が古代においては鶏およびその鳴き方は、かけ、かけろ。ところが時が流れ、江戸文学時代には鶏の鳴き方は専ら東天紅・とうてんこう。明け方に東の天が紅色の時に鶏がなく。ところが明治に西洋道中膝栗毛という洒落本が現れ、鶏の鳴き方を東天紅あらため、滑稽稿、と記載したんだ。この辺りがコケコッコの始まり。従って、飛騨方言・とてこっこ、は明治以降。つまりは昭和の可能性がなきにしもあらず。 君:なるほどね。でも飛騨でも江戸時代は東天紅だったのでしょ。これがいきなりトテコッコに変わった可能性ってないのかしらね。ほほほ |
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